Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

I love you baby ふくしま


今年の紅白歌合戦の出場歌手が発表された。
http://www9.nhk.or.jp/kouhaku/artists/index.html
猪苗代湖ズ」の名前がある。それだけで、胸がいっぱいになる。


4月、東京から妻と子どもたちが戻ってきて、ともかくも平常の暮らしが始まりつつあった。実際には、まだまだ周囲の状況も僕らの気持ちとしても、震災からの非常事態から抜け出せずにいた。新聞やテレビを観ては涙し、これからのことを考えては不安感に苛まれ、妻と話し合う時間がやたらと長かった。耳に入る沿岸部の情報は日を追うごとに凄まじさを増してはいたが、それ以上に放射線という未知の恐怖に怯えていた。


そんなとき、Youtube猪苗代湖ズによる「I love you & I need you ふくしま」を聴いた。
すぐに涙腺が緩んでしまった。「ふくしま」が繰り返されるたびに胸が高まり、遂に「赤べこ」で僕はやっつけられた。小学校での修学旅行、九州のいとこと一緒に行った家族旅行、大学時代にヒッチハイクで行った東北旅行、それらのシーンが次々と目に浮かんだ。ああ、僕は宮城の人間であると共に、福島の人間だったんだ。そう思った。


毎年紅白歌合戦は見れていない。深夜から始まる作業に備えて寝ているからだ。今年は、この「猪苗代湖ズ」だけ観よう。観て、妻や息子とともに歌おう。大きな声で歌おう。それが僕らの年越しだ。


さて、明後日はそんな福島へ行ってくる。体調を戻さないと…。