Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

判断材料をまとめる①

さて、学ぶことは、人生において色々と判断するための判断材料を集めること、と述べた。試しに、その具体例を挙げてみよう。

誰しも、自分でも結構高額だと思う製品を、親のお金で買ってもらったことがあると思う。ゲームであったりスマートフォンであったり、あるいはバイクや学費だったりするだろう。今、あなたは20歳である。あなたは車が欲しいと思っており、自分が働いて貯金した額を合わせても30万円ほど足りない。ここは親にお金を借り、返済は無期限の利息なしとしたい。あなたは、どうやって親を説得するだろうか。つまりは、親に30万円を出させるという判断材料を与えるということだ。

あなたは、色々と説得するための情報を集めるに違いない。通勤通学時の必要性、友人との交流 、将来の可能性、返済の手段や時期、などなど。そうやって情報を集め、まとめ、組み立てて親に話し、納得してもらおうとする。ダメだった場合は仕切り直しだ。また新たな情報を探し求め、あるいは既に集めていた情報をもう一度まとめ、組み立て直す。

あるいはその情報の中に、日本における20歳の車所持率を入れるかも知れない。あるいは地域社会における車の必要性を論じた新聞や書籍の一節を持ち出すかも知れない。また、消費者金融から借りた場合の利息の大きさとそのリスクについて話すかも知れない。日常的に運転する距離と燃費から月々のガソリン代を計算し、現在の収入内で負担可能であることを挙げるかも知れない。

どれも、有効な説得材料となり得る情報である。そしてそれらは、国語、社会、理科、数学などの基礎的な力があった方が、より効果的に情報を得、まとめ、組み立てることができる。

特に、この「様々な情報」から、車を得るという「問題の解答」を導くプロセスそのものが、問題を解くという学習方法の具現化であり、それがより特化したものが、算数・数学における問題解答の基本的なプロセスである。すなわち数学とは、与えられた問題に対し、加減乗除などの基礎的な公理・定理という情報をまとめ、組み立てることでその解答を得るということなのだ。(つづく)