Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

行列マスター(マシーンか?)


今朝は、息子がサンタさんからもらうプレゼントのために、朝から行列に並んだのだった。
初めて並んだ去年と比べると、入荷情報の入手や行列グッズの準備、ならびに待ち時間の潰し方などが我ながらスマートであった。おかげで行列の2番目に並ぶことができ、二日酔いさえなければすこぶる順調な待ち時間を過ごしていたに違いない。


おそらく、このような行列をする羽目になるのは、今の時期、秋から冬にかけてが多いのではないかと思う。もちろんクリスマスプレゼントの入手というケースも多いだろうが、冬のボーナスに合わせてセールが行われたり新商品が発売されたりするのもこの時期が多い筈だからだ。
そして多分、夏場の行列と冬場の行列というのは苦労の質が全く違うように思う。僕の場合冬場しか経験したことがないので、夏場がどんなに大変かは不明だ。但し、去年と今年の2回の「冬の行列」を経験して幾つかノウハウのようなものを得ることができたので、ここでまとめておく。これからクリスマスまでの間に、きっと並ばざるを得ない人もいるだろう。そういった方に少しでも参考になればありがたい。

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情報

1.店の探索
まずは希望の商品を売っている店を探す。
僕の経験上、商品の個数よりは入荷の頻度が多い方を重視した方が良いと思う。もちろん、商品の個数が多いに越したことはないのだが、仕事をしているお父さんとしてそうそう休みが取れるケースがあるわけではないので、並ぶタイミングを選択できる方が強みだ。その代わり、並ぶときは必ず買えるように一撃必中で。
もちろん、自宅から近い方が望ましい。時間的に通勤ラッシュに遭遇する可能性も高いし、後述するアイテムは結構かさばるため電車での移動はできるだけ避けたい。
一般的な店であれば、電話をすればこれまでにどのようなタイミングでどの程度の数の入荷があったかを教えてくれる。入荷はメーカーから事前に連絡が来る場合と、そうではない臨時入荷との2パターンがある。後者については、もちろん店員もタイミングは把握できないので、これには期待しない。「次回いつ入荷になるか全く未定です」を繰り返す店員の店は避けるべし。前者の計画的な入荷は、おそらく多くの店で週末、特に金曜か土曜になると思う。もちろん商品によって異なるのだろうが、特に子供向けの玩具であれば確実に週末だろう。


2.店員との交渉
人気商品とあれば、店員さんも様々な客に応対していることだろう。中には空気を読めずに文句を垂れ流す客もいるはずだ。疲れている店員さんも、不満な店員さんもいる。なので、「いつ入荷するんですか」を単刀直入に訊いても、「いやあ、いつになるか分かりません」という何回も繰り返したセリフをマシーンのようにリピートされるのがオチだ。なので、僕はこんな風に連絡する。
<シーズン1回目>
「これまで、だいたい何曜日に入荷するケースが多いのでしょうか」
「入荷情報が事前に分かる場合があるんでしょうか」
「事前に連絡があった入荷の場合は、入荷した日の翌日の開店から発売するのでしょうか。それとも入荷次第発売するのでしょうか」
「分かるとすれば、それは大体何曜日あたりなのでしょうか」
「その情報が入る辺りに電話すれば、何曜日に何個発売と教えてくれますか」
<その後>
「今週末に○○が入荷するといった情報は入りましたか」
(入っていなかった場合→)「明日もまた電話させてもらってもよろしいですか」
(入っていた場合→)「開店は何時ですか、並んでも良いですか」


3.根気よく電話
結局、店員さんも売りたいけれど商品が無いし、いつ入るか連絡が来ないと何も言えないよー状態なので、それに寄り添ってあげることが大切である。なので、ひたすら丁寧にマメに電話し、入荷情報の有無を確認する。今回の場合、16日水曜の日中に18日の開店から発売という情報を得た。もちろん、並ぶことがOKかどうかを確認する必要がある。中には事前に整理券などを配る場合もある。

アイテム

1.キャンプ用の椅子
並ぶ時間にもよるのだが、1時間を超えると見込まれる場合、椅子は必須だと思う。キャンプ用の椅子であれば持ち運びも楽なので便利。昨年、新聞紙か何かを敷いて地べたに座っていた人がいたが、これば避けた方が無難だと思う。地面に体温が奪われることと、悪天候の場合に対応できないからだ。キャンプ用の椅子は、小さめのものであればホームセンター等でそれほど高くも無く買えると思う。花見とかバーベキュー、運動会などでも重宝するので、この機会に買っておくことをオススメする。
また、椅子の存在感は列を離れる時に大きな力を発揮する。トイレなどで列を離れる際も、椅子さえ置いておけばこの日本では抜かされるということはほとんど無いと言っていいと思う。椅子をどかすというのは、多分結構勇気がいることなのだ。


2.防寒
とにかく大げさなぐらい着こむのが良い。特にマフラー・手袋は装着しておくことが望ましい。寒さ対策として気にすべきなのは、特に風と雨だ。できるだけ肌の露出を少なくすべきなので、首元のマフラーと、手の手袋。今日の僕は暖かめのニットの上にウインドブレーカーを着て、マフラーをして親指と人指し指を切り落とした軍手を着けた。この軍手は新聞屋の作業用につくったものだが、スマートフォンを操作するには好都合なのだ。ところが、結構寒かった。実は夏用の寝袋も車に積んでおいて、どうしようも無いときはこれをかぶろうと思ったのだが、いざ開店となると荷物になることを見逃していた。できればコートやジャンパーなどを足して暖を取るべきである。雨具としては、傘があれば十分かと思う。その場合も持ち手が冷えるので手袋は必須だ。


3.携帯電話
ハッキリ言って、スマートフォンを操作するのは苦痛である。何しろ機体は冷たく、タッチパネルである以上素手で触らざるを得ないので、それこそかじかむ手でフリック入力するしかない。専用のペンを買うという手はあるかも知れない。だが、携帯はガラケーを持つか、思い切って違う方法で時間を潰す方をお勧めしたい。


4.書籍(文庫本)
ズバリ、読書である。開店したあともコートのポケットに入って邪魔にならない文庫本が良い。携帯電話と違って、手袋をした状態でも扱える。紙は凍える身体にとても優しい。
それに、トイレなどで列を離れなくてはならない時に、椅子と共に存在感を上げるアイテムともなる。だって、椅子の上に文庫本が置いてあったら、もう明らかに並んでる風ですよ。それをどかす勇気(悪意?)のある人は、こんな風に大人しく並んでません。

注意点

1.飲食
朝食は必ず摂った方が良い。特に体温維持の観点から、米などの炭水化物を多めに食べておいた方がいい。それから、並ぶ少し前からは、出来る限り飲食は避けたほうが無難だ。トイレの問題があるからだ。なので、待っている間はガムや飴などを食すのが良いと思う。飲み物は特に避けたほうが良い。


2.トイレ
並ぶ前に、最寄りのトイレの場所を確認しておくこと。公園やコンビニ、場合によっては商業ビルなど。特に、並ぶ店からの移動時間を把握しておくべきだ。開店時刻までの時間を考えて、トイレに行けるのは何時がリミットかを分かっていることはとても重要。寒さでトイレが近くなることはよくあるので、特に女性の方は入念にチェックしておくことをオススメする。


3.並ぶ時間
これが問題だ。地域や商品の人気度、入荷個数や並びやすさなど、様々な要因があるので何時間前から並ぶのが良いのかはなんとも言えない。去年は開店2時間前に着いて4〜5番手。今日は開店1時間半前に着いて2番手であった。去年と今年のどちらも、並んだ皆さんが希望商品を一人あたり1個ずつ購入したあとも、若干商品は残っていた。なので、実は並ばなくても開店直後に着けば買えたことになる。
僕の勝手な推測だけれど、おそらくどの家庭でも、子どもたちが学校や幼稚園などに行ってる間にプレゼントを買うハズなので、自宅を出るのは概ね8時半頃になるのではないかと思う。そこから、おおよそ移動時間が30分以内のお店に並ぶと仮定すると、並び始める人の数のピークは9時前後ではないか。ということは、9時からどれだけ早く並び始めるかがポイントになる。10時開店の店の場合、並ぶ辛さを考えると、8時半頃に現場について椅子と文庫本を行列させておき、車の中か近くのコンビニあたりで30分ほど時間を潰し、9事前後の人の入りがピークになるあたりで行列に戻るのがベストなのではないだろうか。
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さて、そんなわけで僕の努力の成果は「サンタさんの素晴らしさ」に還元され、クリスマスの朝に息子に降り注ぐわけだ。その笑顔を想像するだけで嬉しくなってしまう。君の笑顔のためになら、僕は何だってできる。
願わくば、この徒労が来年辺りで収束することと、娘の惚れ込む商品がこのような行列の対象外になってくれることを切に祈るばかりである。