頭痛がやまないドラマー
唐突なのだが、ギターを演奏することになった。
どうやら、僕がアコースティック・ギターのコード弾きだけできて、かつエレアコを持っているということがどこかからリークされたらしく、パートを依頼されてしまった。ちょ、ちょっ、あの、僕は、実はドラムが本来の、と言いたい気持ちをグッと飲み込んだ。いや正直に言うと、思いとどまった時には既に「ドラムが本来の…」の「d」の部分まで口から出てしまっていて、無理やり飲み込んだところ「ドゥフッ」と発音してしまったことをここに書いておく。
ところが、まともに弾くのは実に8〜9年ぶりだ。左手がとにかく痛い。痛すぎる。
ここで、ギターを弾いたことが無い方に説明しよう。
ギターは通常、左手で弦を押さえて右手で弾くのだが、この弦を抑える左手の指先がまず痛むのである。長年ギターを弾いていると指先の皮膚が硬くなって弦を押さえることの痛みから少しずつ開放されるのだが、何せ8年の月日である。指先がぶよぶよで柔らかくなっていると、これが痛む痛む。
更に、左手の人差し指の付け根と親指の付け根の間にある筋肉が痛む。ギターのコードにはローコードというものがあって、これは人差し指で1弦から6弦までを全て押さえる。きちんと押さえないと音がでない。中途半端だと、ギターの振動を抑制してしまうために音が出ないのである。従って結構力を入れて押さえる。筋肉が疲れて痛むわけである。ローコードとして有名なのはFコードで、これが押さえられないためにギターを諦める人もいるほどの最初の難関なのだ。もちろん、長年ギターを弾いていれば筋肉も鍛えられるし押さえ方も慣れてくるため長時間の演奏にも耐えられる。
更に、一般的なエレキギターに比べて、アコースティック・ギターの方が上記の痛みは強まる傾向にある。弦高が高かったりネックが太かったりするからだ。エレアコはアコースティック・ギターの中でもネックが細めなので弾きやすい方なのだが。
ところで曲目だが、やたらキーがB♭やらF(変ロ長調とヘ長調)が多く、やたらローコードが多い(TдT)。ピアノでつくられた曲はこういうキーが多い。哀しいかな、白鍵盤が多い調なのですね。ギター泣かせなわけです。なので、必殺カポタストを使用!1フレット目を押さえてしまって、幾分でも手の痛みを押さえるつもりなのである。
果たしてうまくいくか甚だ不安で頭痛がやまない。