Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

泣き虫

震災以降、僕は何かを避けている。油断すると、心にそっと入り込む感傷や情緒のようなものを避けている。


今は泣くべきときではない、と思っている。僕は何も失っていないし、全てを失った人の気持ちをどれだけ理解できるか全く分からない。ここで流す涙は、単なる勘違いか、あるいは自分の境遇を嘆いているだけだ。


と、思っていた。思っていたのだが。


新聞に載った、小学校入学式の写真に。
ツイッターで見た、勇気あふれる発言に。
全国から届いたたくさんの絵本に。
妻とこどもたちの笑顔に。


僕は涙が出てしまうのだ。