Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

音+答え+丸いものと三角のもの

午前中は七ヶ宿ダムのほとりで取材。
午後からは特別講座「復興へのリデザイン」 | せんだいスクール・オブ・デザインへ。


まったくの快晴かと思っていたら、急にバケツをひっくり返したようなにわか雨が降った。数分で止んでしまうと、道路から漂う雨の匂いと薄い群青色が、新緑に眩しそうだったダムに落ち着きを与えた。通る車も少なく、静かな店内には窯で燃え盛る木材のパチリという音だけが響いていた。そんなダムのほとりから僅か1時間後、僕はあらゆる音が目の前を通り過ぎていく定禅寺通りを急ぎ足で駆けていた。


一体どうしたら、津波から命とまちを守ることができるのだろう。それは僕たちが考えなくてはいけない問題だった。今村先生の口からは正確で無駄のない解説が流れてくる。どの言葉一つとっても、先生が、そして人類が生んだ有能な科学者たちが膨大な時間と労力をかけて考えてきた成果だった。しかし、その今村先生ですら、答えはまだ見つけることができない。果たして我々に、その答えに向けた人類としての前進を生み出せるのだろうか。


ひどい頭痛を感じながら帰路についた。それでも、Walkmanからの音楽を止めることはできなかった。考えることよりも、まずはゆっくりと休みたかった。歩いて息子の幼稚園へ行き、息子と手をつないで帰った。帰り道では、息子と「丸いもの」と「三角形のもの」を探しながら歩いた。まちなかには、丸いものと三角のものが思いのほかたくさんあった。