Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

里見八犬伝で蒸着っ

別にすごく良い映画だとは思わないけれど、妙に思い出に残っている映画がある。

里見八犬伝


83年公開だが映画館で観た記憶は無いので、テレビだとすると84年か85年ごろに観たのではないだろうか。6歳から7歳といったところだ。子どもながら、不気味で怖いシーンも多い中で、薬師丸ひろ子の可愛さと真田広之の格好良さが妙に印象的だった。エンディング・テーマが流れる中、二人が馬に乗って遠くに行ってしまうシーンに、祭りのあとのような侘しさを感じたことを覚えている。というか、今でも感じてしまう。なんだこりゃ。
去年の夏だったかな?妻と子どもたちが妻の実家に行っているときに、我慢できずTSUTAYAから借りて観てしまった。今見ると、キャスティングはもうたまらんものがある。


敵方に夏木マリ目黒祐樹萩原流行である。夏木マリはこの印象があるんだよなあ。悪女を演じさせたら今でも右に出る女優はいないんじゃないか。萩原流行も若く、敵である八犬士の一人に恋してしまう役どころ。良いですわあ。
味方には千葉真一京本政樹大葉健二ですよ。大葉健二分かりますか、ギャバンですよギャバン。もう声とか声とか声とか。今にも「蒸着っ!」って言いそう。


真田広之もかっこいい。この映画では、JAC千葉真一真田広之っていう背景もあったのね。殺陣のシーンとか速いし派手だし、80年代の「ザ・エンターテイメントを求めるっ!」的雰囲気をまじまじと感じた。オイラも大人になったなあ。


しかし、何と言っても薬師丸ひろ子だろう。実は、薬師丸ひろ子ってこの映画と97年のドラマ「ミセスシンデレラ」でしか観たことない。それもまた偏ってるな。ともかくこの映画での薬師丸ひろ子に、少年の僕は憧れてしまった。今見ると、シリアス顔に何とも言えない魅力がある。映画全般に渡り、薬師丸ひろ子演じる静姫は逃走・襲撃・捕縛・恐怖・勇気とかシリアス顔ばかりが映るのだけど、それが魅力的だから飽きない。こういう女優も珍しいんだと思うよ。


で、極めつけはこのテーマソングだ。何故に洋楽。何故に英語。しかし、そんなツッコミを黙らせてしまうほどの良い曲で。いろんな意味で画期的だったし、角川春樹の意欲とか執念のようなものを、なるほどなあ、と感じてしまう。


どうなんだろう。僕の意見にどこか賛同してくれる人はいるんだろうか。