Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

暑くて速くて見張られて

何故冬用のスーツを上下着てきてしまったのか理解できないまま、仙台駅へ急ぐ。17:42発の新幹線に乗らなければ、更に20分時間をロスするのだ。それはそのまま、子どもたちと僕らの睡眠時間が短くなることを意味する。急がねばなるまい。
それにしても暑い。


仙台で午後から行なわれる会議に、昼食をゆっくりと摂ってから家を出て、少し慌てるものの夕方の新幹線で夕方と呼べる時刻に帰ってくることができる。便利なことだ。この便利さを生かさにゃ損だ。
できるだけ人と会おう。会って直接話しをし、お互いの考えていることへの理解を一歩でも前へ進めるべきだ。直接話をせずとも、表情を見て、会釈をするだけでも全然違う。百聞は一見にしかずとはよく言ったものだ。いかにソーシャルネットワークが進化しても、リアルな対面における情報量には遠く及ばない。


新幹線の中で、いささかややこしいトラブルの連絡が入る。こうしたトラブルになると、俄然やる気が出てしまう僕はおかしいのだろうか。前の会社からそうだ。緊急事態を自分の力で収束させたくなる。こうしたときに力を発揮できる人間でありたいのだろう。今日のトラブルも、連絡を受けた時点で複数の対策案を考え、それぞれに実現可能性とリスクと妥当性を検討し、最善と思われる手段を選択しておいた。店に戻り、状況を確認すると、すぐさま優先度の高い手段への切り替えを進める。運良く、最善手へスムーズに移行できる見込みがたった。こうして緊急事態は収束を迎える。


冬用のスーツと、高速交通網と、携帯電話。それぞれにメリットがあり、そして新しい悩みも産み出してしまう。
なるほど、現代人の悩みとは、確かに昔の人からは想像もつかないに違いない。