Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

ジャッキー流の機転に惚れて


ジャッキーチェンが好きだ。大好きだ。
最初に見たジャッキー映画は「プロジェクトA」だったろうか。笑いあり、アクションあり、戦いあり、少年谷津直樹の心を鷲掴みである。グワシ。それからというもの、ジャッキーチェンは僕の中でヒーローであり続けた。今でも輝いている。こうしてYoutubeにアップされたジャッキーチェンのアクション映像を観ては、子どものように心踊らせてしまう。
昨晩、思い余って息子にこの動画を紹介したところ、息子はカンフー少年に変化してしまい、夜中だというのに家中を飛び跳ねていた。うるさいぞーと注意するものの、気持ちが分からんでもない。僕もそうだった。金曜ロードショーでジャッキーを観たあとの僕は、さぞかし騒々しい小僧だったに違いない。


ジャッキーの魅力の一つに、身の回りのものをうまく使って戦うシーンがある。自転車でツボを飛ばし、傘でバスに引っかかり、脚立を振り回して戦う。あるいは突然戸を叩き、家の中の人が戸を開けるのを利用したり、スーパーで服を展示するのに使うハンガー掛けを使ったり。ここまで書いて、ジャッキーの戦いを文章で表現することがなんて難しいんだろうとほとほと感じている。もう観ていただく以外に無い。
もちろんフィクションの世界だけれど、この臨機応変さが僕はたまらなく好きで、きっと「強い」というのはそういうことなんじゃないかな、と子供心に感じていた。とっさの判断と応用力。あらかじめ準備されていないところでも力を発揮できる人になりたい、そう思っていた。


意外にも、社会人になって似たような思いを抱くことがあった。SEとして客先に出向いたとき、予想外な質問が飛んで来ることはよくある話で、そこに柔軟に対応できる人に率直にスゴさを感じた。ああこれが臨機応変というやつなんだな、と肌で感じることになった。何とか先輩方に追いつこうと、僕も何度となくチャレンジしたけれど、なかなか思うようにはいかなかった。家に帰ったあと、シャワーを浴びながら自分の言った内容を何度も何度も反芻し、ああ言えば良かったと悔いた。そんなチャレンジと反省の繰り返しが、実は自分を成長させるとても大切なプロセスだったのだけれど、僕はジャッキーに抱いたような憧れをまだ引きずっているただの少年だったのだ。


息子がハマるところからすると、ジャッキーもまだまだ歴史に埋もれるには早いのかも知れない。いずれ息子と一緒にジャッキーの昔の映画でも観よう。観て、二人でカンフーごっこをするのだ。アチョー!


腰が治ってからか。