Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

歩け歩けオツカイだー


「ある程度の予算の範囲内で、何を買うかは貴方のセンスに任せます」ていうミッションて難しくないですか。苦手ではないですか。
僕は苦手です。できることなら避けたい。ところが、避けることのできない性分の方が優ってしまい、ついそのミッションを自らに課してしまった。気が気でない僕は、『日経カフェ』が始まる19時からざっと4時間半前の14時過ぎに仙台到着。すぐさま買い物に走ったのだった。
ひとまずバスに乗り、駅から最も遠方にある買い物ポイントへ向かう。初めて入った店内は所狭しと商品が並び、買うかどうかはともかくどこに何があるのかをつぶさに見てまわる。あっちへこっちへ階段を上って降りてまた上って、ふうふう。迷った末に、ここで一品購入することを決意。大分サイズの大きな買い物になってしまったので、一度保管場所へ行き、再び町へ繰り出す。
駅前の量販店やデパートを練り歩く。ある程度買うものは決めていたけれど、それ以外にも考えつかなかったようなモノがあるかも知れない。そうしてぐるぐると店内を練り歩くだけで、僕の足はパンパンになり、首筋や脇の下にジンワリと汗をかき、口は乾き腹は減るという、試練の時間が続いたのだった。秋とはいえ先週の台風が嘘のような照りつける太陽の下、病み上がりの腰痛を庇いながら歩く三十路過ぎの男。日が暮れ始めて気は焦る。何とかギリギリのところでノルマを果たし、何とか『日経カフェ』会場のカフェ・モーツァルトにたどり着いたときには、若干気分が悪くなってさえいた。


『日経カフェ』の有意義な時間の後、冷や汗が出て頭がフラフラすることを自覚。閉会後の会場を早めに出て、大戸屋でようやく夕飯にありつけた。定食を腹に収めると、何とか気分も少し上向きに。駅まで歩き電車に飛び乗る。程なく席に座ることができたが、眠ったが最後福島県松川まで起きられないだろう状態を鑑み、Walkmanで「龍馬伝」を見て眠気を飛ばす。


やっぱり仙台の町を一日歩くというのは結構厳しかった。運動不足に病み上がりとはいえ、大学時代の僕でもクッタリしたぐらいだから、やはりキツいことには間違いはない。しかし、こうして色々な店を回ってああでもないこうでもないと考えるのはとても楽しい。渋谷でウィンドウショッピングを楽しむ女性、秋葉原でショップ巡りを楽しむ男性、神田で古書店巡りを楽しむ大人、御茶ノ水で楽器屋巡りを楽しむ若者。そうやって人の流れができ、町に活気が湧き出るのかも知れない。


酷使したWalkmanを充電しながら、次はいつ仙台の町を歩けるだろうと考えてみるのだった。