Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

娘は喘息ではないけれど


娘が熱を出した。午前中に行った小児科で咳止めと熱冷まし、それから気管支拡張剤であるホクナリンテープを処方され、昼頃に自宅に顔を出すと朝方からは見違えるほど元気だった。朝方の娘はとても苦しそうだった。前夜から続いている咳によって気管支か扁桃腺が腫れているらしく、狭くなった気管で必死に呼吸していた。肩に娘の頭を乗せるような形で縦に抱っこすると、娘の胸が僕の肩に密着するのでよく分かる。娘が呼吸するたびに、胸が大きく凹んだり膨らんだりする。腹膜を最大限に使わないと、息ができない。
小児喘息だった僕も、そんな風に必死に呼吸していた記憶がある。喘息の思い出といえばこの苦しさを指すといっても大げさではないほどだ。それほど「呼吸ができない」という状態は苦しく、恐怖であり、子供心に強く印象を残す体験なのだ。


そんなわけで、喘息持ちだったと言う人を見ると何はともあれ共感してしまう。こういう苦しい思いを分かっているというだけで、少し相手を理解できる気がしてしまうのだ。