Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

大したことはない大したこと

舌の右側面にデキモノがあるらしい。もしかすると口内炎かも知れない。痛い。喋ると痛いので、何だかろれつが回らないような発音になってしまう。くそう、唇にできる口内炎の方がまだマシだ。明日明後日と忙しいし、今夜中に治ると良いんだけどなあ。


昨日大きめの余震があり、今日は震災から7ヶ月目である。沿岸部は復興に向けて死力を尽くしているもののまだまだやるべきことは山ほどもあり、放射能汚染に関する話題は常にニュースの一角を支配している。僕らが生きているのは「震災後の世界」であることは間違いないのだけれど、しばらくの間意識が遠ざかっていたことに正直になるべきだろう。その間に僕は腰痛と闘い、妻が新しい生活を踏み出したことに伴う生活の変化に右往左往していた。心に余裕が無かったのが正直なところだ。何とも情けない。


体の不調というのは著しくパフォーマンスを劣化させることに改めて気づく。腰痛がほぼ一段落して安心していても、舌のちょっとした痛みですらやる気の減衰は大きい。年齢を重ねるにつれ、こうした体の不調というものが様々な面で増えてくるのだろう。そしてそのケアのために、運動する時間を確保したり、あるいは通院したりという、これまでは不必要だったエネルギーの使いみちが増えてしまうのだ。自分のやりたことだけに全身全霊を傾けることが難しくなる。


きちんとした休みを取ろうと思う。平日は仕事、休日は子どもの相手、その生活に、ひとときの自由な時間を確保しよう。
社会人3年目までの、あの残業と徹夜が繰り返す地獄のような日々に感じた疲れとはまた違う。それは、夕方に降り始めた粉雪が朝まで掛けて少しずつしんしんと積もりゆくように、いつの間にか自分の中にこびりつき容易には溶けない塊となって、気づいたときにはもう手遅れになる、そんな疲れ。「大したことはない」の繰り返しが、まるで地層のように体の中に降り積もってしまう、そんな疲れ。


いつしか僕は、僕らしいステップを忘れていないかい?ワン、ツー、スリー。タン、タタタン、タン、タタタン。