Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

生きていく弱さ


朝感じた腹痛や体のダルさ、悪寒や鼻水は、午後に入るとまるっきり他人ごとのようだった。締切に追われていれば、風邪どころではない。結局のところ、気分次第でどうにかなる程度の風邪だったのだ。心が弱っていただけだ。


家に帰り、靴下を脱いでデニムからジャージへと着替える。自分の世界を持ち始めた娘の相手を適当にこなしつつ、息子とiPhoneのゲームと入浴について問答する。いつものようないつもの生活。何も変わらないけれど、この何気ないひとときが何より幸せであり、積み重なることでかけがえの無い思い出となることも知っている。


「明日、もし自分が死んだら」そんな風に考える時もあっていい。でも、いつもそれじゃあ息が詰まってしまう。「どんなことに対しても、良い面を捉えよう」そんな風に頑張ってもいい。でも、いつもそれじゃあ息が切れてしまう。「眼の前の全てを受け入れよう」そんな風に背伸びしてもいい。でも、いつもそれじゃあ息が上がってしまう。


確かに心が弱っていたかも知れない。それでいい。弱い自分も認めよう。辛い時は辛いと言おう。悲しい時は涙を流そう。嬉しい時は笑顔で過ごそう。
いつになく暖かい秋が、もうしばらく続きますように。