Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

風邪という平和



咳が止まらない子どもたちを気にするあまり、自らの体温や睡眠時間を疎かすると、今の僕のできあがり。「熱鼻喉咳」-新しい四文字熟語としてどうだろう。


昨夜は3年越しのNHKドラマ「坂の上の雲」を観た。昼寝が少なかったせいで夕飯後早々に寝入ってしまった娘を抱きながら、自分のベッドの上で手に汗を握って観ていた。おかげで腰の重さは甚だしく、中途半端な睡眠によって夜中目覚めた娘に振り回されるという、完全なる自業自得状態であった。やるせない。
戦争をリアルに描写している映画やドラマを観ると、つい「自分ならできるか」を問うてしまう。男子なら誰もがそうなのではないだろうか。僕は、銃弾が飛び交う戦場で、司令官の突撃の号令に従い、穴から這い出して敵陣地に向けて走れるだろうか。敵銃弾を体に浴びても、走れる限り走り続けることができるだろうか。あるいは、爆薬を積んだ自らの戦闘機の矛先を敵艦に向けることができるだろうか。考えてしまう。
狂気だろうか?僕はそうは思わない。彼らは、それぞれに自分の生命を賭して果たすべき役割を覚悟し、自らの判断で穴から這い出でたはずだ。日本を、家族を救うために、彼らは自らの生命を捧げたのだと僕は信じている。


そんな英霊たちの覚悟とは比べれば、自分の健康と引き換えに子どもたちの体を気遣うことの何とささやかなことよ。それだけ平和だということだ。この平和さを満喫しなければ。ゴホゴホ。