Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

凧、凧、あがれ


僕の両親から僕の息子へのクリスマスプレゼントは、凧だった。クリスマスの朝、息子はおじいちゃんと凧揚げがしたいと言った。父に相談すると「お前(僕)も来い」とのことだったので、父と白石川河川敷の公園で待ち合わせすることにした。息子と公園の駐車場に着くと、既に父は到着しており、風の様子を見ていた。鮮やかな青空に、12月の冷たい風がまるで川の流れのようにサラサラと吹いていた。
凧にシャフトを通し、紐を結びつけた。凧紐を結ぶために手袋を外すと、風が体温を一気に奪う。凧を風に向けると、すんなり浮かび上がった。小さい頃揚げたときはもっと難しかった記憶があったのだが、強度や重心のバランスがいいのだろう、簡単に揚げることができる。息子は初めおっかなびっくりだったが、すぐに楽しみ出した。寒空の下、父と息子と僕の3人で青い青い空を見上げ続けていた。











凧揚げはいつ以来だろう。おそらく僕が息子ぐらいの頃、父と川岸で揚げた以来だ。あれは確か斎川の川岸だった。風が強すぎて骨組みがすぐに壊れてしまい、うまく揚げる事が出来なかった。それは父親と一緒に遊んだ、数少ない記憶の一つだ。
息子の凧は優雅に飛んだ。どこまでも澄み切った青空に、息子の声と凧が舞っていた。