Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

葛藤オンベッド

腰痛を患って、仕事や家事をとりあえず放置してベッドに寝転んでいると、昔学校を休んで布団に潜っていた日々のことを思い出す。喘息がひどかった頃だ。


無理すれば学校へ行けた日もあったと思う。当時の僕自身も何となく甘えているような気がして、布団の中で罪悪感にかられていた。頭の中で、友達が学校で楽しく遊んでいる様子を想像し、先生が「今日は谷津くんはお休みです」と話し、それを友達が聞いて「あ、今日も谷津くんはお休みなのか、いいなあ」などと思うことを想像した。そして僕のいないところで僕の噂をし、あるいは僕には知らない遊びで楽しく遊んでいることを想像し、勝手に仲間はずれ感を味わっていた。そして、ますます学校へは行きたく無くなってしまうのだった。


熱が下がって、咳も出なくなって、いよいよ腹を決めて学校へ行ってみると、意外にも普通に過ごせた。僕が想像していたことはあくまで想像で、みんな僕のことなど特に意識をしていなかったし、休んでれば休んでるなりに他の友だちと遊ぶし、来てたら来てたで一緒に遊んでくれた。なあんだ気にすることなかったんだ、そう思って日常を過ごし、しばらくするとまた体調を崩すのだった。


今も、ベッドの上で言い知れぬ罪悪感と疎外感に包まれている。僕はここにいていいんだろうか。早く立ち上がって動かないといけないんじゃないのか。いやいや、そんなことはない、日常は僕抜きでも立派に回っていて、ひとまず腰を治すことに専念しなければ。


療養の日々とは、葛藤の日々なのだ。