Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

会話ハイウェイ

妻の仕事の休みに合わせて、仙台にある専門病院の予約を取った。昼食をのんびり摂ったあと、やや慌てて自宅を出た。助手席のシートを最大限たおそうとしても、娘のベビーシートにつっかえて水平には程遠い位置。不快な鈍痛を耐えながら、車は高速道路をひた走った。


行き帰りの車内や病院での待ち時間に、妻とゆっくり話をした。お互い忙しい日々が続いていて、なかなか二人でゆっくり話し合える時間が取れなかったし、ヘルニアが本格化してからの妻はそれこそ家事に育児に仕事に奔走していてそんな余裕もなかった。
こうしてあまり時間を気にせず話をすると、色々なことが分かってくる。お互いの仕事の状況や、悩んでいることや、客観的な視点や、自分自身の本心や。不思議なことに、いつもとは逆に妻が運転していたり、動かない僕の体を妻が支えてくれたり、僕の荷物を持ってくれたり(重くて申し訳ない)、そうしたお互いの気づかいがいつも以上に話しやすい空気をつくってくれる。いつもの、日常の、普通の生活パターンが続けば続くほど、ある種の停滞感をつくってしまうことに、はたと気づくのだった。


ブロック注射後、しばらく病院のベッドで横になっていたのだが、たまらなく妻と話がしたかった。まあ、他の患者さんもいるから、実際に話そうとしても遠慮するかも知れないけれど。