Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

埃まみれのケーブルとジーンズ

人事異動の時期だ。我が谷津新聞店でも、小さい職場ながら一応の人事異動的なものがあり、本日デスクの引越し作業を行ったのだった。で、ほとんどは当事者の社員さんがやってはくれるのだが、僕の出番と相成ったのはプリンターの撤去とノートPCの移動だった。


何が大変って、配線です。長年使い続け新しいPCを導入したり電話機を増やしたりプリンターへの接続を増やした結果、デスクの間の配線はもうカオスそのもの。更にそこにホコリが積もりに積もって、もう何が何やら状態だったのです。震災の時に一度綺麗にすればよかったんだけど、まあその時はその時で忙しかったから、つい適当に接続して動けばいいや状態のまま今日に至ったのだった。


一肌脱いだ僕は、意を決して配線の正常化を志す。一度全ての機器の電源を落とし、すべてのケーブルを辿って外し、それぞれのケーブルを適当な長さになるまで巻いて再接続する。ある女性社員さんが、コードを束ねるのに便利な針金をたくさんもっていたのもやる気アップの要因となった。(お菓子の袋などを閉じる用の金色の奴が大半。黒いケーブルに金というのもまた乙であった)


しかし、自分でも驚くほどのテキパキさだった。コードを素早く束ね、適度な長さにして接続する。PCを移動し、LANケーブルを接続する。ついでに埃をはらいデスクを拭く。分かりにくいケーブルにはネームラベルをつける。
どう考えても昔の職場で培った経験である。あの省庁で・あの自治体で・会社のサーバ室で、デスクの下やサーバ室の床に転がって配線を調べたりした記憶が蘇る。ふと、全てのケーブルにネームラベルをつける必要が無いことに気づいた。今の職場では、すべてのPCやプリンターのメーカーや機種が異なるため、一見してどのケーブルがどれなのか分かるのだった。そういえば、前の職場でこういう作業をするときは、いつも同じ機種のPCやらサーバと格闘することになっていた。何しろ型番もOSも何もかも同じだ。製造番号だけちょっと違うだけ。しかも一桁一文字違うだけ。分かりにくさ満点だ。


ひと通り作業を終えてジーンズの膝についた埃をはらうと、何だか昔に戻ったみたいだった。ああ、いつになってもこういう作業は変わらないんだな。次は僕のデスク周辺を片付けよう。あの時は、嫌だなあ、僕はソフト屋なのに、と思っていた作業が、今は楽しく感じる。不思議なものだ。