Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

誰のための何のためのリレー


先週土曜、5/19は見事な晴天。昨日までの雨でぬかるんだ校庭は、5時半に集まった先生方の尽力により良馬場といえる素晴らしいコンディションだった。


息子は、いつの間にこんなに大きくなったんだろうと思えるほど堂々と行進する。校長先生の話は若干つまらなそうだ。そうだそうだ僕らもつまらなかった。でも我慢して聞いてた。息子が同じようなことを経験していることが不思議に思える。


プログラム3つめは1年生の徒競走。男子9組目にエントリーした息子は、これが自分の息子なのかと思えるほど堂々としたフォームで目の前をトップで駆け抜けた。そして、その顔には満面の笑み。声を出して笑いながら走っていたんじゃないかという笑み。解き放たれた鳥のように、みずみずしく走り、トップでゴールテープを切った。


午前中の中盤に、1年生のリレーが行われた。息子は第2走者。あっさりとスタートしたリレーは、息子がいつも話している通り、最下位に近いあたりで息子の番にまわってくる。
息子がバトンを受け取る。と、前傾姿勢を取った息子は、前を行く走者のアウトコースに入り僕らの視界から消えた。次の瞬間、息子はあっという間に2人を抜き去り次のターゲットを目視する。カーブでインに入り、更に1人抜いた。残るは2人。カーブが終わりに差し掛かり、目の前を過ぎる息子に僕は思わず声をかけた。「行けっ!!」


息子は2人を抜き去り、トップでバトンを渡す。残念ながら、その後抜かれてしまい、リレーは4位に終わった。


運動会が終わり、おばあちゃんや店の職員から息子は訊ねられる。「何位だった?」息子は答える。「2位だったよ」それは、息子が所属する白組の総合順位なのだった。トップだった徒競走より、5人をごぼう抜きしたリレーよりも、チームの勝利を重んじた息子に、僕はまた一つ教えられたような気がした。