Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

感情のバイオリズム


昨日の朝、保育園へ送るため娘を助手席に乗せ、車を走らせた。途中実家兼職場に寄って、母に孫との対面をさせる。こうすると、母は一日気分よく過ごせるらしい。何よりの元気の源なのだろう。これだけで親孝行できるのなら楽なものだ。まあ、孝行しているのは実際は娘なのだが。


実家を離れたあと、娘は僕に抱きつこうとした。運転中なので危ないよと諭し、保育園の駐車場まで何とか騙し騙しやってきた。ところが、珍しく娘が保育園へは行きたくないと駄々をこねた。いいんだよ、お父さんとしばらく遊ぼうか、ほらあそこに花があるよ、お寺にも行ってみる?そんな風に話しかけても一向に聞いてくれない。娘は「お家に帰りたいのー」と泣き出し、困った僕は、とりあえず自宅に向かうことにした。
道中、娘に保育園へ戻ることをやんわりと勧めてみるが、なかなか納得してくれない。そうこうしているうちに自宅に到着してしまい、ひとまず家の中まで戻る。大好きなアンパンマンのパズルに手を出したので一緒に完成させ、ほらっと言いながら抱き上げると、ようやく保育園へ行く事を決心してくれた。


いつものようなお喋り少女と違い、ジッと押し黙っている娘と再び保育園へ。駐車場に車を停め、助手席から抱き上げるとそのまま園舎へ向かった。部屋に入り、持ってきたおしぼりやエプロンなどを準備している間も、娘は僕にくっついて離れなかった。最後は先生に引き離してもらい、泣く娘を後にして急いで部屋を出る。先生方にとって、親はできるだけ早く立ち去ってもらった方が助かるらしい。後ろ髪をひかれながら、そしてじんわりと胸に込み上げるものを抑えながら、急いで園舎を出て車を走らせた。


疲れていたのかも知れないし、少し甘えたい気分だったのかも知れないし、もしかすると前日に少し嫌なことがあったのかも知れない。かといってここで甘えを許し、仕事を全てキャンセルして一緒に一日を過ごすことが必ずしも良いこととは言えない。逆に、突き放すだけも良いとは言えない。
僕に仕事があり、そのために娘には保育園がある。仕事が終わったら迎えに行き、それからの時間は家族でゆったりと過ごす。家族の時間では、娘の甘えにほどほどに付き合ってあげる。そして、自分の娘への愛情を十分に注いであげる。一緒にいる時間が長ければいいという単純な話でも無いと思うのだ。


明日は日曜。娘と一緒に遊ぶことにしよう。