Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

買って食べて笑っチャイナ


11/19〜20と、東京・横浜方面へ。19日の夜は中華街で、普段ではとても手が出せないような中華料理のコースを味わうことができた。いや紹興酒はそういう風に飲むものじゃない!というノリが無ければ最高だったのだが…。
テルチェックイン後、夕食会場に直接集合ということだったので、1時間ほど前に中華街に入りお土産を物色。会社用のお菓子は郵送してしまい、家族向けの細々したものだけ手提げ袋に入れて持ち帰ってきた。その一つが写真のチャイナドレス。いやあこれは娘へのお土産というよりは、親やじいちゃんばあちゃんへのお土産といっても過言ではないな。カワイイと思ってるのは大人だけ。


そうやって中華街を歩いていて、そのわざとらしい中華的な雰囲気づくりや、店員さんの中国語なまりの日本語などを聞いていると、領土問題などで緊張している国の国民同士とはとても感じられない。ここで生きている人も、ここに食事や買い物に来る我々も、それぞれ中国やら日本という国としてのアイデンティティをことさら表面には出さずに過ごしている。何しろ出す必要がない。ここで尖閣諸島がああだこうだ言っても仕方がない。僕はチャイナドレスとヌンチャクを買いたいし、彼らは売りたいし、そうやって一日一日を大切に、前を向いてできるだけ楽しく生きようとすることの方がずっと大事なのだ。


もちろん、その問題が洒落にならない人はたくさんいる。だけれど、こうして中華街という一大観光地などといったところはそうした問題からは一線が引かれているし、そこではひとまず問題は関係なしに楽しく生きようとするパワーに満ちていることを見て、ああやっぱり日本は平和な国だなあと改めて幸せに思うのだった。
諸葛亮孔明が持つ団扇を振って「東南の風!」とか叫んでみたり、オモチャの武器に「呂布」だの「徐晃」だの書かれていて嬉しくなったり、待ち受ける中華料理のために泣く泣く肉まんを我慢してみたり、やっぱり僕らはそうした中華文化も大好きで、いつもとは違う非日常のひとときとして十分楽しめる。ヌンチャクが何なのか分からない息子にYoutubeブルース・リーの動画を見せ、テレビに夢中な娘にそそくさとチャイナドレスを着せて写真を撮って喜ぶ。別に領土問題があっても、こういう楽しさは心置きなく味わって良いのだと僕は信じている。


本当はこうした庶民の暮らしの先に政治があるのが理想なのだろうけれど、現実はそうはいかなくて、僕らとは別次元で大きな力が動いていて問題は複雑化している。どういう結末に至るのかは日本人としてとても関心があるし、主張として日本の領土であると宣言するのは間違ってないとは思う。
けれど、長い目で見ると、やはり争うことは結局マイナスなのだ。高齢化社会を迎えた日本と、これから迎える中国。人口減少を迎えた日本と増加が止まらない中国。世界中に、問題を抱えていない国などない。それぞれが与えられた自然環境や歴史の中で様々な問題を抱え、それを解決しようとしながら豊かな国づくりを目指している。どんどん住みにくくなっていく地球に、僕ら人類は抗って生命を謳歌しているのだ。


僕らは対話しよう。国籍や人種に関係なく、僕らは僕らの生活を通して世界中の人たちと対話し、それぞれに笑顔になれるようにチームになっていく以外に無いと、僕は思う。