Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

最近この比喩が

ところで最近、様々なところで比喩や何かに例えるケースを見かけることがあり、一言物申したい。


一般に、ある現象を別の現象に例える場合、その理由は「分かりやすくするため」である。今ググったらこんな感じだ。

ひゆ 1 【比▼喩/▼譬▼喩】
物事を説明するとき、相手のよく知っている物事を借りてきて、それになぞらえて表現すること。その方法により、直喩・隠喩・換喩・提喩・諷喩などがある。

なかなか理解されづらく難解な物事を、相手が理解しやすく分かりやすい物事になぞらえることで、分かりやすくするわけだ。
良い例がこれだ。
ワープについてドラえもんの漫画でデキスギ君が説明してたんで... - Yahoo!知恵袋
これは映画ドラえもんのび太の宇宙開拓史」の1シーンで、出来杉君が「ワープ」という物事をのび太くんに分かりやすく説明するところだ。何と言っても日本人にとって【成績が悪い】の代名詞ともなっているのび太くんである。そののび太くんに、物理的科学的に非常に難解な「ワープ」を、いとも簡単に説明する出来杉君。僕にとっても非常に思い出深いシーンである。
(あれ?比喩とはちょっと違うかな)


ところが、最近この比喩が、「分かりやすくするため」だけではなくて、何だか難解な物事に対する考え方を誘導してしまっているケースがあって困る。
例えば、「日本の現在の景気は、まるで梅雨のようだ。どんよりとした天気がずっと続いている。でも梅雨はいつか晴れる。雨はきっとあがる。だから日本経済もきっと復活するのだ!」といった感じ。


いや、そうじゃない。日本経済を天気に例えるのは、分かりやすくするためならアリだけれど、かといって日本経済=天気では無い。天気はいつか晴天になるからといって、日本経済もそうだとは限らないわけなのだ。当たり前だ。
どうも、そうやって自分の考え方、この場合日本経済に対する期待感のようなものを、比喩を使うことで表現しているのだ。


日本語として間違っているということではない。自分の考えを表現する方法として、比喩を混ぜ込むことはテクニックの一つだろうと思う。でもこの場合、何だか不誠実な気がしてしまうのだ。特に、上手いこと例えてる場合ほど、裏にある話し手の考えに誘導されてる感があって、すごく気になる。騙されないぞと身構えてしまう。特に歴史を持ち出されると途端に身構えるようになってしまった。今の日本や世界の情勢を過去のある事件やら情勢やらに例えても、同じような歴史を辿るとは限らないと思うし、ちょっと待てそう思ってるのはあなただけじゃないのとツッコミを入れたくなる。


という、本日のブログは単なるボヤキであった。