Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

雪があるって素晴らしい

前の晩に雪が降った、良い天気の日曜日。僕は朝の仕事が終わって力尽きてしまい、午前中はずっと寝て過ごしてしまった。お昼近くになってようやくベッドから這い出ると異様な空腹なので、雪遊びに興じる子どもたちと妻を尻目に昼メシの買い物へ出掛けた。帰ってくると、可愛い雪だるまが!


昼食のあと、遠刈田温泉の三治郎へ行って貸切風呂を家族で堪能。露天風呂は最初寒かったけれど、湯船に入ってゆっくりと外を眺めていたら、気持ちも穏やかになっていくようだった。柵から手を伸ばして雪を取り子どもたちに渡すと、彼らはお風呂の脇で雪にお湯をかけて溶かして遊んでいた。


雪ってすごい。
こんなに大きな物体を創作できるなんて、多分雪ぐらいだろう。これだけの量の粘土を買うわけにもいかないし、木や紙なんかは後でゴミにもなる。無限のように広がっている雪を、いくらでも使っていい。そしてしばらくすると、溶けて無くなってしまう。何て素晴らしいオモチャなんだろう。
そして、遊び方は様々だ。ボールにして投げてもいい。少量なら食べてみてもいい。坂があれば滑ればいい。足あとをつけてみるだけでも十分に楽しい。雪一面の駐車場に「SOS」の文字も書ける。そして、お湯をかけて溶かしてみてもいい。子どもたちが(ひょっとしたら大人も)自由な発想で自由に遊ぶことができる。


東北や北陸の冬ってとても大変だ。雪は降るし溶けないし、寒いし暗いし。だけど雪があるって素晴らしい。雪だるまをつくり、スキーを楽しみ、吐く息の白さを見つめ、降る雪の静けさを感じ、歩くたびに割れる氷の音を聞き、静寂の中で自分の創作意欲を十分に果たすことができる。
確かに野球やサッカーをする環境には恵まれていないかも知れない。甲子園の優勝旗が白河の関を渡っていないのもそんな背景があるかも知れない。でも、それ以上に育まれているものがあるのかも知れないなあ、と、少しだけ故郷を誇りに思ってみる。


それにしても朝起きるのは辛い(´・ω・`)