Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

もし自分だったら

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)


ジュンク堂の店頭に並んでたから買ってみた。ちょうど風邪で寝込んでいたので、この機会にと睡眠と睡眠の合間を縫って一気に読んでしまったあと、今年の年末に映画化されることを知る。で、あゆみブックスのランキングでも1位だそうだ。いやはや、流行りに乗ってしまっていたのか。何にも考えずにその波に乗っていたことを何となく恥ずかしく思う年頃(*・ω・*)ポッ


飛行技術の習熟という点が、僕としては新しい視点だった。日本が敗戦に向かっていく理由に、空戦熟練者の枯渇ということもあったのだなあ。やはり人、育成、命の保護を軽視したツケだったのだろうなあ。
また、登場人物の一人が戦時中に数々あった軍部首脳による戦略ミスを批判するシーンがあり、それを当時の日本全体に関わるシステム・構造の問題として指摘していた点に、何だかそうした問題は戦後も対して変わっていないんじゃないかと思った。中枢に行けるのはキャリアだけ・出世のためにミスが許されず前例を踏襲する幹部・現場との意見の食い違い、それって今も日本全体を覆っているんじゃないか。


こういう戦時中を題材とした作品を読んだり観たりすると、いつもながら「もし自分だったらどう行動するか」を考えてしまう。そして突き詰めるとそれは、「自分なら死ぬ覚悟を決められるか」に集約されるような気がする。例えば零戦パイロットとして、陸軍の突撃部隊として、航空機や戦艦の整備士として、あるいは高位で部隊を統括する責任者として。


しかし宮部氏が岡田准一くんか!うーん似合うようなそうでないような。