Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

無我夢中で向こう側へ

★★★虫の話なので苦手な方は閲覧注意でお願いします★★★


この季節になるといつも思うことがある。道路を横断する虫たちの運命についてである。特に山あいの道になると、数百メートルに1匹は横断中の虫がいる。多くの場合は毛虫か芋虫、雨の翌日なんかはミミズやカタツムリ、雨真っ最中のときはカエル(虫じゃないか)。先日の早朝はカブトムシも歩いていた。
みんな一心不乱に向こう側に向かっている。ふと見ると、周りには車に潰されてしまったり鳥などに捕食されかけた死骸などがある。そう、日中の道路は正に四面楚歌だ。道路は車や歩行者、時には子どもという大敵が通る。空では鳥が常に餌を探し求めている。そんな絶体絶命の窮地に自分を追いやりながらも、無我夢中で向こう側へ行こうとする虫たち。それを見るたびに、ああ、無事向こう側へたどり着いて幸せな人生(虫生か)を送ってほしいと心から願ってしまう。


最近ランニングをしていて、よく周回コースを数周することがあるのだけれど、その地点に来るたびに少しずつ向こう側に近づいているミミズがいたことがある。頑張れ、見つかるなよ、そう思いながらやや急ぎながら周回コースをひた走る。その時は、どうやら向こう側にたどり着いたようだった。ひと安心、と思いきや、向こう側にある茂みは、僅か一株か二株くらいの雑草だけだった。ああ儚きミミズよ。どうか地面に潜れるだけのスペースと、柔らかい土があることを切に願う。


まあそう思いながらも、車ではときどき潰してしまうけどね。いや仕方ない。見つけたときはもう直前だったりするし、急ハンドルを切るリスクを侵す勇気は無い。
南無三。