Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

1978年6月

1978年6月12日、その日母は僕を連れて白石市長町の実家にいた。

母の実家には大きな台つきのテレビがあり、その上には大分立派な置時計があった。
テレビは、8畳ほどの正方形の茶の間の角に、中央に向けておいてあり、部屋の真ん中にはこたつ付きのちゃぶ台があった。僕はテレビとちゃぶ台の間に寝かせられ、オムツを換えられていた。

突然母に、何かの予感。すぐに僕を抱き上げた。
直後の揺れは、テレビの上の置時計を、僕が寝ていた座布団の上に落とした。

この日宮城県を襲った地震は大きな被害を与え、以後県内の小学校において毎年6月12日を防災訓練の日とするほどだった。