Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

絶え間ない余震を耐えろ

取引先に自転車で向かう。未だ電話が不通な場所があるのだ。


町なかを自転車で走ると、地震の傷跡を生々しく感じることができる。道路にできた段差や歪み、シャッターを閉じているお店、かろうじて開いているお店のがらんどうな棚、落ちた瓦や壁、倒れている塀。しかし、震災後2〜3日後あたりに充満していた、まるで戦時中のような張り詰めた緊張感は薄らいでいる。おそらく、ある程度のライフラインの復旧と、震災という現実への慣れと、それから徐々に顕在してきた疲れによる影響だろう。
今、多くの人は何とかペースをつかみつつある。このまま、ともかくガソリンを含めた物資流通の健全化まで耐え抜きたい。そのために、パワーを温存し疲れを回復しながら少しずつ片付けやら雑務やら制限された中での仕事やらを粛々とこなすのだ。


僕が恐れているのは、ここでもし第2波が発生したら致命的だということだ。
例えば、前回と同じくらいの規模の余震が発生したら、まず多くの人は絶望し、精神的体力的にかなりのダメージを受けることだろう。
それから原発である。もしここ白石市が避難勧告エリアになるとすると、これまた大きなダメージを受ける。多くの人はガソリンが無いため自家用車での避難は困難であり、行政が準備するバスなどでの避難を選択せざるを得ない。
正直、これらのことが発生したら自分自身かなり落胆し、意欲をなくすような予感がある。


そういった意味で、強い余震が続くことは非常にストレスである。またあの大きな揺れが続いたら、そう考えるとたまらなく恐ろしくなる。それは、地震そのものよりも、それにより導かれる自分の活力の喪失なのだ。