Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

幸せとは何気ない日常

昨日、一昨日とブログを更新しなかった。地震直後の停電期間以外では初めてのことだ。


格好よく言えば「家族との時間を大切にしたかった」だけど、実のところは「娘を寝かしつけたまま寝落ちして日付が変わってしまい諦めた」である。その気になれば更新できたハズなんだけれど、どうも眠くてその気力が出ず。


日曜日。東京から家族を連れて帰り、久しぶりに抱っこで娘を寝かし付けた。息子はいち早く寝息を立てている。妻は家事を終えてやっとの風呂だ。ようやく寝入った娘を抱きながら、そっと二段ベッドの下の段に入り込む。添い寝への移行作業はスムーズそのもので、ウデは落ちていない。着地に成功すると、ものすごい眠気がやってきた。
家に家族が揃っている。娘がほっこりと温かい。上の段から気持ちの良い寝息。素敵な瞬間だった。
昨日も、この極上の瞬間を味わえた。二の腕の筋肉痛すら幸せに感じる。


津波が全く届かないこの白石ですら、そんな普通の暮らしが3週間も途絶えてしまったのだ。今なお、多くの人たちが非日常から抜け出せずにいる。それどころか、もう二度とこれまでの暮らしに戻れない人もいる。僕は幸せものだ。この幸せを十分噛み締め、そして感謝しなくてはいけない。


普通の暮らしに戻れないでいる子どもたちに、僕たちはともかく絵本を届けようと動いている。絵本を読む習慣のない子もいる。読み聞かせができる大人も限られる。それでも、絵本はそこにあって、普遍の物語を紡いでいる。いつか、誰かに読まれる日まで、ジッとそこで待っている。物語だけは、地震津波原発の影響を全く受けずに、以前と変わらずそこにあるのだ。
一人でも多くの子どもたちが、物語の中で心の傷を癒されるといい。
その普遍の物語の中で、安心してくつろぐといい。
優しく、明るい本当の気持ちを取り戻して欲しい。
そして一刻も早く、安らげる日常に帰って欲しい。