Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

なぜ絵本なのか

本日、初めて絵本の仕分け場所を覗いた。


まずは数に圧倒された。これほどまでとは!

送り先への箱数を確認しながら、ラベルとなる紙を急ごしらえでつくり、箱の梱包作業に取り掛かった。
箱には、元の送り主の団体名や住所が書いてあった。北海道、東京、確か関西の地名もあった。日本全国から、ここに絵本が届いていた。

幼児向けの箱を覗いてみる。そこには、昔住んでいた家で、小児科の病院で、近くの市民センターで、これまでに僕が息子に読んであげた本もたくさんあった。
一冊一冊に、そうした親と子どもの思い出が詰まっているのかと思うと、つい涙が溢れた。ここに集まっているのは、ただの本じゃない。親と子のかけがえのない時間を共にした記憶なのだ。愛情とぬくもりが詰まっているのだ。
誰もが大切にしたいそんな気持ちを、ここにある絵本の持ち主だった子どもたちとその親は、悲しく辛い体験をした子どもたちのために差し出そうと決めたのだ。


確かに、日本は大丈夫かも知れない。
少なくとも、そんな気持ちで今日を生きている人間が、この絵本の数だけ日本に存在しているのだ。

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こどもとあゆむネットワーク
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