Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

美しきもの。醜きもの。

貴方の美的感覚はどのようなものだろうか。
僕の場合はどうも、首尾一貫というか、決めたことを守るというか、言ったことはやるというか、そういった姿に美しさを感じるらしいのだ。それが良いとか悪いとかじゃない。人それぞれ、美的感覚は異なるものなのだ。


この震災によって、そこかしこで醜いものが目についた。自らの生活が、お金が、命が脅かされたとき、いつもの持論を曲げてしまう人がいた。かねてからの大言を忘れてしまったのか、自らの生活と、お金と、命を守るために必死に他人を陥れ、騙し、あるいは不安にさせていた。全く僕の美的感覚からは逸脱しているものだ。


一方、数は少ないが美しいものにも出会った。この非常事態にも、自らに課した約束を全く違えず、誠心誠意に命を燃やす姿である。


なんと不思議なことに、美しきものはヘドロと瓦礫の中にこそあり、醜きものはすぐに平穏を取り戻した場所にあった。
まったく、僕の美的感覚とは不思議なものである。