Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

被災地岩手をインストール

明日から3泊4日で岩手家族旅行へ。
ほぼ全日程で牧場を巡るという、天候によっては全く思い出が変わってしまうようなそんな旅。一応雨に備えて牧場以外の観光施設もチェックはしているけれど、もうとにかく牧場で走り転げる、そんな旅にしたい。


本日めでたく6歳となった息子だが、このところ手が付けられないことがある。ちょっとしたことでヘソを曲げてしまうし、「オレ、しみに行くから」とか言うし(「死に」が「しみ」と間違っているのだが修正しない親w)。お漏らしやオネショが増えて、食欲のムラが大きくなった。
もちろん成長過程においてそういった時期があるのは普通のことだし、妹が歩き始めてしまい大人たちが妹から目が離せなくなってしまった影響もあるだろうし、親のしつけが悪い可能性も大いにあるのだが、震災の影響もゼロではないと思うのだ。
本人はまったく意識していないだろうけれど、おそらくは恐怖も味わっただろうし、停電と断水の中のカップラーメン生活や、父親と離れて東京という慣れない場所で生活した経験も、どこか心にネガティブな印象を与えていると思う。それがそのまま今の行動に繋がっているわけではないと思うのだけれど、震災以来の非常事態ムードから抜け出るタイミングが必要だとは感じていた。
震災から少しずつ着実に日常を取り戻していて、良いか悪いか分からないけれど年度の切れ目が重なってしまい、どこからが正常になったのかが良く分からないまま過ごしてしまっている。この旅行は、完全な非日常へもう一度ぐっと変化させることで、この生活の日常性を取り戻すチャレンジなのだ。しかも、完全に全くコンプリートリイに楽しい非日常である。牧場以外にない。


それと、ささやかながら被災地の応援もしたい。宮城に住むものとして宮城の復興に全力を尽くしているつもりだし、白石市という福島県境に住むものとして福島の惨状にはどうしても感傷的になってしまう。被害の大きかった東北3県の中で何となく縁遠い存在だった岩手県に行き、わずかばかりの経済支援をしながら、被災地岩手を実感として自分にインストールしておきたい。


とまあ理屈をつけながら、僕は僕で久しぶりの家族旅行を目一杯楽しむつもりだ。息子の変化は、僕のストレスや疲れといったものも影響しているはずだ。僕自身も少し心を開放しよう。憤りや不満は何も生みはしない。穏やかな気持ちで、穏やかな日常に戻ることが大切なのだ。