Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

決意のようなもの

そろそろ、原発のことも書かねばなるまい。


別に避けていた訳ではないけれど、自分の考えがなかなかまとまらず、気持ちも落ち着いていなかったのでブログのテーマにはしていなかった。それでなくても、ネットから、新聞から、テレビから、たくさんの情報が入ってくる。政府や東電の発表が後手後手になっていることが露見するにつれて、不安にかられる情報が増えているようにも見える。実際、僕の周辺でも様々な人が不安を顕にしてきた。その中の何人かは、具体的な行動を起こしはじめている。そんな姿を見ながら、僕はなるべくフラットでいようと努めてきた。


ここ白石市中心部は、福島第一原発から直線距離でおよそ75km。市の調査では、居住地周辺の放射線線量は0.3μsv/h前後と発表されている。白石市の周辺部、特に南部は0.7〜0.8μsv/hと高い数値が計測されている。水道からの数値は一時期からは落ち着いているが、牧草などから基準値を超える数値が検出されはじめている。


僕はと言えば、二人の幼い子どもを持つ親である。そして仕事は、この白石刈田地区を担当する新聞販売業だ。なんとこのタイミングで、息子が通う幼稚園のPTA役員だったりする。


僕は、まさに当事者なのだ。


僕は、自分の子どもたちを守りたい。そして、僕を育ててくれたこの地域と、ここに生まれた子どもたちを守りたい。幼稚園に通う全ての子どもたちと、幼稚園自体を守りたい。こうして文字にしてみると、やれやれ、いつの間にか守りたいものが増えてしまったなあ、と他人事のように思える。


人類が経験したことのない未曾有の危機なのだから、誰もどうすれば良いのか分からない。自分が、僕たちが考えるしかない。もしかすると数年後か数十年後に、世界のどこかでまた原子力事故が発生するかも知れない。そのとき、僕たちが考え行動した記録は、必ず参考になるだろう。どの対策がどの程度有効だったのか、それは人類にとって、悲しくも貴重な財産になるに違いない。


これほど、自分が試されていると感じることは無い。白石に生まれ育ち、東京へ就職して結婚し子どもを授かり、仕事をやめて実家を継ぐことを決意し、今僕はここにいる。もしかすると、大いなる意思によって導かれたような気がしないでもない。
後悔するようなことだけはしたくない。精一杯、正々堂々と、今考えうる最善の策を考えて行動すること。いつも自分自身を失わないこと。大切なものを見失わないこと。僕が愛する全ての人たちの幸せを心から祈ること。