Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

突っ込むためにそれはある

事務所に、販売中の書籍を入れる棚があるのだが、何だか古い書籍ばかりになってしまい窮屈になっていた。何だかなあと、背表紙も日に焼けた本を手に取ると、発行日が平成元年!そりゃあ売れないよ。
その中に、ひっそりと「コトラーマーケティング3.0」を発見。ありゃあ、震災でどこ行ったかと思ってたら君、そんなところへ。うっかり販売されたりしたらたまらないので、すんでのところで救い出してきた。確か全部読まずに地震を迎えた気がする。もう一度最初から読みなおそうかな。


1歳3ヶ月になる娘はとても本が好きだ。幼児向けの絵本はもちろん、息子向けに買った園児向けの絵本や、時には妻のビジネス書などを引っ張り出してページをめくっている。幼児向け絵本の中には話を分かり始めているものもあるようだけれど、ほとんどの本はただページをめくり、そこに描かれた見たことのない模様や色を楽しんでいるんだろう。とても純粋な知的好奇心だと思う。見たことのないものを見たい。ただそれだけ。


どうも、この好奇心は僕の遺伝ではないかと思う。妻に言わせると妻の遺伝ということになりそうだけれど。まあ半分は僕だ。
この好奇心のおかげで、東京で仕事をしていたときはえらい目にあった。やったことのない仕事をバンバン引き受けていたら、徹夜を繰り返しても終わらない程の仕事量になっていた。未知の体験はとてもスリリングでエキサイティングで、ついつい頭を突っ込んでは失敗していた。失敗したらしたで何とかリカバリしたいとムラムラしてきてもう一度頭を突っ込んでしまうのだった。若さだけでは説明がつかない気がする。


その性格はまだまだ変わらない。また頭を突っ込みたくなってる。いやいやいや。痛い目を見るのは僕だ。セーブしないと。
でも、やれるのは今だけだからなあ、と、僕の中の何かが呟いている。