Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

ENpowerd by YEN?


東日本大震災の被災地はあまりにも広大であり、かつ地震津波原発とダメージの種類が複数あり、ひとくくりに語ることは不可能だ。普遍的に言えることは幾つかある。その一つに「まだまだサポートが必要だ」というものがある。特に津波の被災地の多くで、まだまだ自力でまちの経済サイクルを回復するには程遠いという現実がある。
但し、サポートする側にとって、絶対に認識しておかなければならない点がある。それは、「最終的には地元の人々が主役となるべき」ということである。詳しく言えば、サポートというのは被災地の回復程度に応じて幾つかのレベルがあり、そのレベルが上がる(被災地が回復する)に従ってサポート側はより影を薄くするべきということだ。自衛隊を見ていればよく分かる。自衛隊は決して被災地の主役にはなろうとしなかった。あくまで被害を受けた住民が主役であり、それを助けることだけが自衛隊の仕事だった。そして一定のめどをつければきっぱりと活動を終え、それぞれの自衛のための任務に戻っていく。

(1) 救援
 このフェーズは、人間として必要最低限の生活、すなわち衣食住が充分に満たされない状態に対して、緊急的に行うサポートである。サポートする側からの一方的な物資提供が活動のほとんどを占める。

(2) 支援
 救援フェーズは、徐々に支援フェーズに移行する。必要最低限の生活が確保できれば、次は被害にあった地域のまちとしての機能の復旧が必要である。サポートする側は被災地のニーズに合わせて様々な物資・人員を提供する。これも依然としてサポートする側が金銭などを負担することとなる。復興に向けた第一歩という段階であり、まさに被災地を支えるフェーズとなる。場合によっては、被災地において復興活動のリーダーをサポート側が務める場合がある。

(3) 後援
 支援フェーズから、徐々にサポート側は表舞台から姿を消す。場合によってはサポート側は普段の日常に戻り、遠方からの金銭や物資の提供といった形となる。

(4) 応援
 特に物資などを提供するわけではないが、被災地の復興に心から共感し、温かく見守る。自分たちの生活の中で、特に負担というレベルではなく被災地に対して経済的あるいは人的貢献ができるようであれば、それを優先させるなど、身の回りでできるサポートを行う。


多くの団体が、未だに被災地に向けて様々な活動を行っている。団体にとっての主な活動が、上のフェーズのどれかに制限されてしまうものもあるだろう。しかし、極力その地域の復興フェーズに合わせて活動内容を変化させるべきである。毎日栄養のある食事を摂れている人にカップラーメンを提供しても無駄になる可能性が高いわけで、自分たちで震災前の仕事を再び取り戻そうと努力しているときに、外部の人間がその仕事を奪い取ってしまうような活動は避けるべきだ。


誰しも、誰かの役に立ちたい。その崇高な心を、無駄遣いさせることはとてももったいない。「せっかく良かれと思って頑張ったのに」などと言いたくないし、誰にも言わせたくない。被災地とサポーターとが共にタッグを組み、よりよい未来に向かってそれぞれの力を生かせる新しいチームをつくるべきだ。
「援」から「縁」。そしてちょっとの「宴」。(笑)