Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

風の歌とセンテンス



会社の僕のデスクに、いつも入れてある小説がある。村上春樹著『風の歌を聴け』1982,講談社文庫。
表紙はボロボロだし、ページは赤茶けてる。大学の時に買ってから、何度も読み直しては新たな発見を繰り返している。時々、ふとある一文が頭をかすめることがあり、それは大抵この本の一節が出典だ。もう一つ、『1973年のピンボール』という本も僕にとっては宝物のような本だ。


今日は、ふと次のような文書が頭に浮かんだ。
「あらゆるものから何かを学び取ろうとする姿勢を持ち続ける限り、年老いることはそれほどの苦痛ではない」


これを真とするならば、対偶もまた真である。すなわち、
『年老いることを苦痛と感じているならば、それはあらゆるものから何かを学び取ろうとする姿勢を持ち続けていない」


信念を抱きつつ、淡々と毎日を過ごす。それは、ある人にとってはただ日々を重ね年老いるだけのように見えるかも知れない。しかし、胸に熱き志を持ち、あらゆるものを観察し、あらゆる人々を師と仰ぐならば、それはそれほどの苦痛では無いのだ。