Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

曖昧な方がいいもの

さいころから、「君の夢は何だい?」と聞かれると、決まってこう答えるようにしている。
「世界平和です」


僕に質問したイヤミなオジサンはハッハッハッと笑い、僕に蔑むような視線を向け「そうかそうか」と言った。子供じみた夢だと思ったことだろう。実現不可能な、まさに夢物語だ、そう思ったに違いない。


僕は本気だった。そして、今も本気だ。


ところが、世界平和は確かに遠い。ひょっとしたら、僕が死ぬ前には実現できないかも知れない。いいじゃないか。実現不可能なぐらいがちょうどいい。そして、解釈がたくさんあり得る。到達点が曖昧だ。それがいい。実現に向かうには無限の道があって、今どんなに悩んでいても、どんな失敗をしても、なお夢に近づく選択肢が残されている。


顔を上げて、遠くに見える光を目指し、その一歩を踏み出せばいい。