Hang In There

蔵王の麓で新聞屋さんが子どものこととか震災のこととか思い出などを綴ります

「まあいいや」でも「仕方ない」でも無い

昨日は、大河原の合同庁舎で行われた県主催の研修会に参加してみた。「富県宮城人づくり研修会」という名の研修会で、活躍する企業人を講師に迎え民間のマインドを学び地域活性に繋げようという、どちらかというと役所の職員さん向けのものである。今回は過去に別の県主催の企業交流会に参加した経緯からご案内があり、講師の新澤さんに興味があったので申し込んだ次第。

講師は、JAL国際線のファーストクラスにも搭載されている宮城の銘酒「伯楽星」で有名な、新澤醸造店の新澤巖夫代表。大崎市三本木にて100年以上の歴史を誇る酒蔵が震災で致命的なダメージを受け、宮城県川崎町に蔵を移転。その後は復興のシンボル的な存在として多方面に活躍されている。
昭和50年生まれというから、僕のたった2学年上だ。蔵の移転というとんでもない決断をし、更に精力的に活動している姿には感動というか、逆に自分の何もしてなさに焦りを覚えてしまう。刺激になるよなあ。震災の最中の映像も見せてくれて、酒瓶が割れ機械が倒れ酒蔵が崩壊していくのを見ていた新澤さんの気持ちはどんなものだったのだろう。


環境が人を育てるっていうのは大いにあると思っていて、新澤さんも伝統ある酒蔵の息子としていずれ看板を背負うことを覚悟して育ったはずだ。もちろん他の仕事を夢見たこともあっただろうし、醸造業に対してある種の絶望感を抱いたこともあっただろう。自営業の息子として察するに余りある。
でも、そういったことを全部飲み込んで自分にしかできない仕事を見出し、勇気を出して決断していることに素直に尊敬する。「まあいいや」でも「仕方ない」でも無い。「僕がやるんだ」という意気込みを感じる。それが素晴らしい。


ということで、非常に刺激を受けた良い研修会でありました。